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日本国内・最終LP盤について紹介しましょう

ポリドール 28MM0535/6 (1986)

デジタル・リマスターという触れ込みでしたが…

28MM0535_6表ジャケ.jpg▲内側・外側とも国内盤初のコーティング・ジャケット仕様です

28MM0535_6裏ジャケ.jpg▲裏ジャケット左下にバーコードが印刷されています

 ポリドールに版権が移行して2代目のLPですが、これがLPとしても最後となりました。1971年に発売されて15年目にしてツヤツヤ・ピカピカのコーティング・ジャケットになりました。しかも¥2,800という最安値更新!

 同年にCDが発売されまさに時代が変わるときの一枚とあって、帯の惹句にもデジタル・リマスタリングの文字が踊ります。しかも「オリジナル・テープより」とあります。文字は踊るのですが、さて果て実際の音質はいかに? 

1・ジャケット写真のトリミングサイズ


 35MM0099/100と全く同じなので省きます。

2・レーベル・ロゴとバーコード


28MM0535_6裏ジャケ.jpg 35MM0099/100の裏ジャケットと同じ位置にポリドールのマークがありますが、その横にバーコードが入りました。(社)日本レコード協会の資料を探しても、CDは1989頃にその規格が制定されていますが、アナログ盤に関しては分かりません。しかしこの盤が1986年発売であることから、かなり早い時期のものだと言えるでしょう。ちなみに米盤でも最後期のPolygram盤で初めて表記されています。

3・センターレーベル


28MM0535_6レーベル.jpg そりゃよく見れば35MM0099/
100盤との細かい違いは有りますが、大したこと有りません。3行に打ってあった文字列が2列になったり、改行位置が違っているぐらいです。

4・ジャケットの内側…5thとの違いは写真の鮮やかさぐらい

28MM0535_6内ジャケ見開き.JPG国内2nd盤 SJET-9565〜6

 インナー・ジャケットのベースの色合いは、黒に近い焦げ茶で一貫して同じですが、35MM0099/100と比較すると写真の朱色の鮮やかさが目立ちます。ジャケット内側・右端の曲目等の解説部分は35MM0099/100と全く同じもまったく同じです。

5・LP最後のライナーノートは…


 SJET-9565〜6以降ずっと引き継がれている「1975.5 吉成 伸幸」と署名の有る内容のままLPの時代は終わり、さらに同一内容でCDに引き継がれました。

6・音質評価です


 関心を惹く「オリジナル・テープよりデジタル・リマスタリング」という触れ込みの音質ですが、中~低音があまり出ておらず、薄っぺらい音です。高音も伸びがなく奥行き感もない、というのは国内盤に共通する傾向のままです。リマスタリングについての解説は帯の文字以外に皆無。ひょっとして1986年当時平行して発売された国内CD初盤P58P 25013/4と同じマスターを使ったのか? とも思うのですが、CDにも特に何の説明もありません。ま、深入りせずに流しておきましょう。

●国内盤のまとめ、みたいなもの…


 こうやってあらためて国内盤を全部並べてみると、やっぱり良く売れたアルバムだったんだなあ、ということを実感させられます。レイラもそうですが、オリジナルが簡単に手に入ったり、良い音でマスタリングされたCDが安く手に入る時代になってから比較すると、単純に「こんな音で聴いていたんだなあ」と思うしか無いのですが、そんなことは内容とは関係なく、どんな音でも感動できる音楽は感動できるのだと改めて認識しましたね。

 でも、良い音楽をさらに良い音で聴くことで、もっとその音楽の深いところにたどり着けるのも事実で、我々アナログ世代はそのようにして深く掘り下げる楽しみこそが、音楽をレコードで聴く楽しみとして、泥沼のような(笑)世界に喜んで足を踏み入れて行くわけです。ま、同じレコードが増え続ける言い訳みたいなものですけどね(笑)。